パラシベリア石 Parasibirskite
Ca2B2O5・H2O 硼酸塩鉱物 単斜晶系
論文著者 草地功・武智泰史・逸見千代子・小林祥一
掲載論文 Mineralogical Magazine, 62, 521-525, (1998)
パラシベリア石は、武田石の熱水変質鉱物と考えられており、水中で含水硼酸カルシウム(と方解石に容易に変質してしまう鉱物で、また、希塩酸にも容易に溶けるが、発泡はしない。パラシベリア石と同質二像関係にある鉱物として1962年にロシア(当時はソ連)で報告された新鉱物のシベリア石があり、化学組成、赤外線吸収スペクトル、示差熱分析データなどは同一のため区別ができない。また、どちらも単斜晶系であるが、布賀産の両者のX線粉末回折データは異なる。シベリア石も草地功・逸見千代子・小林祥一らにより布賀から発見されており、1997年に論文掲載されている。パラシベリア石はゲーレン石・スパー石スカルン中に武田石・オルシャンスキー石・シベリア石・フロロフ石・方解石に伴って産する。白色で弱い真珠光沢を呈し、最大40×20×3 mmの卓状結晶の亜平行集合体をなしている。