森本柘榴石 Morimotoite

Ca3TiFe2+ Si3O12 ネソ珪酸塩鉱物 等軸晶系

論文著者 逸見千代子・草地功・逸見吉之助

掲載論文 Mineralogical Magazine, 59, 115- 120, (1995)

森本柘榴石は、石英モンゾニー岩中の内成スカルン中に、方解石・ベスブ石・灰礬柘榴石・珪灰石・赤鉄鉱・ぶどう石・フッ素燐灰石・灰チタン石・ジルコン・バッデレイ石・カルジルチ石と共に、黒色不透明、金剛光沢、直径15mm以下の自形〜半自形粒状結晶として産するし、鉱物学者・森本信男(1925- )にちなみ命名された。柘榴石族の鉱物の一般化学式はA3B2X3O12で表わされるが。森本柘榴石はAサイトにCaBサイトにTi2価のFeXサイトにSiが入ったものだが、森本柘榴石に類似した組成を持つ鉱物としてショーロマイトがあり、これは、灰鉄柘榴石Bサイトの3価の鉄を4価のチタンと2価の鉄で置換したものが森本柘榴石であり、灰鉄柘榴石のBサイトの3価の鉄を4価のチタンに置換し、Xサイトの珪素のうちの3分の23価の鉄で置換したものがショーロマイトであることになる。一方、森本柘榴石はショーロマイトと区別できないので、独立種ではないという意見も最近良く聞かれる。